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ダイの思い出 [ペット]

3月1日(水) 晴

はや3月、光陰矢のごとし。
10年前の3月に愛犬が亡くなった。その一文を書いたのは5年後、思い出す。

 我が家にビーグル犬が来たのは生後1ヶ月であった。「ダイ」と命名。娘からの突然の依頼。
 「育ててみよう」と我が夫婦の意見は一致。犬中心の初体験の時間が手探りで始まった。
 直ぐに妻は溺愛し夢中となった。
 6ヶ月過ぎた頃、車往来等激しい道路横断の徒歩40分の公園デビューとなった。妻の楽しみ。
 囲いのある大きな広場、手綱から開放され飛び回る。皆と競争する。吠えまくる。至福の時間だ。

 その1週間後公園で事件は起きた。行事を知らせる”花火音”が突然轟く。驚愕動転の「ダイ」。
 囲いの隙間から全速力で逃げ出した。 名前を叫びまわり必死に捜す、 顔面蒼白の妻。
 何処にもいない。諦めるしかないのか。憔悴し、泣きながら自宅へ戻る。
  いた! 居た! 我家の前に! 抱擁する。奇跡か。神に感謝。座り込む妻とダイ。

 その「ダイ」が血液ガンとの闘病90日。10歳誕生日直前の3月29日に逝った。
 荼毘にふし庭に埋葬。その真上に「クリスマスローズ」を妻が丁寧に植えつけた。
 野良猫がやってきたのその年の紅葉の頃だった。朝夕の食事から始まり、日だまりで過ごす。
 そして夜は妻の枕元で安眠するまでになった。「クロ」と命名。

 「ダイ」の死から5年、ペットロスからやっと開放された妻。
 「クリスマスローズ」が2年前から咲き出した。 今年も紫花が一輪。

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